2011年6月14日火曜日

イスラマバード市及びハイバル・パクトゥーンハー州ペシャワル市で発生した爆弾テロ事件に関する注意喚起等

1 6月13日午後3時頃、イスラマバード市内I-8地区のマーケットにある銀行付近で自爆と見られる爆弾テロ事件が発生し、現在までのところ1名が死亡、8名が負傷した模様です。

2 6月11日深夜、ハイバル・パクトゥーンハー州ペシャワル市内中心部の商業施設ハイバル・スーパーマーケットで連続爆弾テロが発生し、36名が死亡、100名以上が負傷した旨報じられています。報道によれば、最初の爆発は小規模で、人々が現場に殺到した後にバイクに乗った男が自爆した模様です。
  本件に関し、パキスタン・タリバーン運動(TTP)は関与を否定する旨の声明を発出していますが、真偽の程は不明です。

3 上記爆発事件の背景は未だ不明ですが、10日付現地報道は、パキスタン・タリバーン運動(TTP)がウサマ・ビン・ラーディン及びイリアス・カシミーリーの殺害への報復として、パキスタン全土において治安当局者や市民が多く集まる場所を標的としたテロを実行するため、パンジャブ州ラホール市に自爆テロの実行グループを送り込んだ旨報じているほか、6日付現地報道は、非合法武装組織ハルカトゥール・アル・ジハード・イスラム(HuJI)指導者で、アル・カーイダとも深い関係を持つとされるイリアス・カシミーリーが、6月3日夜、連邦直轄部族地域(FATA)北ワジリスタン管区で米無人偵察機の攻撃により死亡した旨報じるなど、今後TTP、HuJIを含む武装勢力各派の報復テロが懸念されます。

4 パキスタンにおいては、ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル郡に対して、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」(真にやむを得ない事情で現地に残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策をとってください。)を発出しています。
また、アフガニスタンとの国境付近一帯、管理ライン付近一帯、連邦直轄部族地域(FATA)全域及び郡隣接部族地域並びにハイバル・パフトゥンハー州スワート郡、アッパー・ディール郡、ローワー・ディ-ル郡、マラカンド郡、マルダン郡、チャルサダ郡、ブネール郡、シャングラ郡、コハート郡、バンヌー郡、ハングー郡、デラ・イスマイル・カーン郡、ラッカ郡、ラッキ・マルワット郡及びタンク郡に対して、危険情報「退避を勧告します。渡航は延期してください。」を発出しています。

5 ついては、上記退避勧告地域に滞在されている邦人の方は、直ちに国内外の安全な地域へ退避するよう強く勧告します。また、同地域への渡航は、目的の如何を問わず延期するよう、強く勧告します。

6 ハイバル・パフトゥンハー州ペシャワル郡に真にやむを得ない理由で残留せざるを得ない場合は、政府機関、所属団体等を通じて組織としての必要かつ十分な安全対策を講じるよう強く勧告します。

7 また、ハイバル・パフトゥンハー州ノウシェラ郡のように、退避勧告を発出している地域以外の地域であっても、上記退避勧告地域での動きと連動する形でテロの脅威が及ぶこともあります。特に、幹線道路で同退避勧告地域の軍事作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、同退避勧告地域の情勢にも注意し、安全対策への配慮をお願いします。

8 さらに、危険情報「渡航の是非を検討してください。」を発出している地域に渡航・滞在される邦人の皆様は、不測の事態に巻き込まれることのないよう、その他の広域情報やスポット情報も参照していただき、以下の諸点について十分な注意を払っていただくとともに、最新の情報に留意しつつ、個々人における安全対策・危険回避に十分心掛けてください。

(1)テロの標的となりやすい場所(米国関連施設、米国系有名ホテルやファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(車両、検問所等を含む。)、宗教関連施設)にはできる限り近づかない。外国人の多く集まる商業施設等の利用は短時間とし、長時間の滞在は極力控える。

(2)デモや集会を見かけたら絶対に近づかず、その場から速やかに回避する。

(3)マーケット、バス停等人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れる。また、特に夜間の人が多く集まる時間帯は極力避ける。

(4)各種事業を行う場合には、安全上の情報収集・分析を常に怠らないことはもちろんのこと、その事業実施の必要性とリスクを比較の上、実施するとの結果に至った場合には、事務所及び活動現場の警備を強化する等十分な安全対策を講じる。

(5)車両等にて長距離を移動する場合、幹線道路であってもできるだけ明るい時間帯を選び、日没後の移動は極力避ける。その際も、トラック・デポ(多数のトラックが駐車・待機している区画)付近への立ち寄りは避ける。また、郊外に赴く場合には、その地域の情報に十分注意を払い、必要な場合には、十分な警備体制をとる。特に、幹線道路でハイバル・パフトゥンハー州内の作戦地域と直結している都市やその沿線に立ち入る場合には、同州内の情勢にも注意し、安全対策に配慮する。

(6)テロリストは身近なところに潜んでいる。目立つ行動や騒がしい行為は極力控える。

9 なお、テロ事件に関しては、以下も御参照ください(パンフレットは、http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.htmlに記載。)。
(1)2011年6月9日付け広域情報「テロ事件に関する注意喚起」
(2)パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」
(3)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」