2010年9月17日金曜日

カラチ総領事館からのお知らせ:治安悪化が懸念される事件の発生及び諸行事(選挙、デモ)の実施について

1 16日(木),英国ロンドンにおいてMQM幹部が殺害される事件が発生しました。現在まで事件の背景は不明ですが,カラチ市内において,事件発生に対する反応とみられるバス放火事件等が発生したとの報道がある他,一部教育施設の閉校や一部公共交通機関の運行取り止め等が行われているとの報道もあります。今後,同幹部の遺体はカラチに埋葬される予定であり,また,捜査の進捗状況によっては,市内の治安が悪化・混乱する可能性も排除できません。

2 19日(日)午後には,一部宗教団体による米国のコーラン焼き捨て事件に抗議するデモ行進が計画されています。現時点において当該デモの規模等詳細は判明しておりませんが,本年6月に,イスラエルに対するデモ行進が行われた際は,市内中心部でデモ隊と治安機関が激しく衝突した事例もあります。当地警察
は,デモ隊の重要警戒地域侵入を阻止するため,サダルタウンの一部において道路封鎖を実施するとしており,交通渋滞等の混乱も予想されます。
※ ルート:カラチプレスクラブ(サダルタウン) → 米国総領事館

3 また,22日(水)には,カラチ市オランギタウンにおいて,州議会議員の補欠選挙が予定されております。この選挙は,8月2日にMQM議員が暗殺されたことによって空席となった議席を巡る選挙となっており,既にMQM,ANPが候補者を立てているとの報道もあり,本投票を巡り治安の悪化が拡大する可能性も懸念されています。
(注:上記8月のMQM議員暗殺後,カラチ市内で殺人事件及び放火事件が多発したことにより,1週間で約100人以上が殺害されています)

4 上記の各事案において,邦人が直接の標的になることは考えられませんが,巻き添えに遭う可能性は十分考えられます。特に夕方から夜間にかけましては,当地では事案が拡大する傾向があります。つきましては,邦人の皆様におかれましては、不測の事態に巻き込まれることのないよう、極力外出を控えると共に、最新の情報に留意しつつ引き続き細心の注意を払って行動するようお願いいたします
 なお,外出する場合においても,以下の場所は極力避けるようご留意願います。
(1) 軍,警察,政府関係施設,宗教関連施設(全てのモスクを含む),外国公館等
(2) バスターミナル,ショッピングセンター,高級ホテル,自由市場等多数の人が集まる公共施設等
(3) 政治演説,政治集会,抗議集会,政党関係事務所等