2009年10月25日日曜日

最近のテロの手法や傾向について(巻き込まれないための心得)

1.在留邦人の皆様に対し、累次お知らせにてお伝えしておりますが、現在、パキスタン全土において過激派武装勢力等による爆弾テロ事件等が多発しています。

2.最近発生しているテロ事件の傾向としては、極めて機動的な動きによるテロ事件が多発していると言えます。標的となる人物を銃撃する襲撃事件、軍又は治安当局者に偽装し建物内に侵入する自爆テロ事件、または組織的に人質を取った上で籠城し、襲撃を行うテロ事件等々、その手法は多様化しています。

3.いずれの場合も発砲や爆発自体を防ぐことは非常に困難ですが、被害に遭わないためにも、また、被害を最小限に抑えるためにも、日頃から周囲を注意深く確認し、少しでも早く不審人物の以下のような動きや特徴を察知することが重要です。

(1)テロの実行犯は総重量10キロ以上の自爆ジャケットを着用していることが多いことから、ぎこちない動きをする。

(2)自爆を目前にした緊張から、振るまいが神経質で特異な印象を受けることが多い。

(3)自爆時に爆発物を作動させる必要があるため、腰部をまさぐる仕草をとることが多い。

(4)爆発時には右手を高く掲げ、叫ぶ行為を行うこともある。

4.当然のことながら、爆発事件に巻き込まれないためには、日頃から細心の注意を払い、高い危機意識を持って行動することが重要です。また、異常な状態を察知するためには、平常時においても周囲の状況を良く観察しておき、「正常な状態」を知ることが重要となります。

ついては、日頃から次のことを心掛けておくことが求められます。

(1)所在地における爆弾テロ事件の発生状況、発生の可能性の有無等、爆弾テロ事件に巻き込まれるおそれがないかについて、あらかじめできるだけ具体的に承知しておく。標的となりやすい場所(軍、警察、検問所、国連関係機関、政府機関、欧米関連施設、宗教関連施設)にはできるだけ近づかない。

(2)無差別爆弾テロ事件が発生している地域への立入りや交通手段はできるだけ控える。

(3)空港を利用する場合、しばしばテロリストの襲撃の標的となることを念頭に置き、不必要に人の多く集まる場所に近寄らない。その他、ホテルのフロント等不特定多数の人の立ち入りが容易なところでの滞在時間は最小限とするよう心掛ける。

(4)最近の傾向として、警察当局がセキュリティーの強化を実施しているため、渋滞が多くなっている。極力渋滞の多い検問所付近の通行は避ける。

(5)パキスタンの各地において誘拐事件が発生している。誘拐予防のためには、自らの身は自らが守る心構えを持ち、誘拐の危険度に応じた対策(通勤時の安全対策、住居の警備強化、日常行動上の注意等の総合的な対策)をとることが重要。特に海外で安全に暮らすためには、①目立たない、②用心を怠らない、③行動を予知されない、という3原則を守る。日頃から行動パターン(通勤時間、使用する道や施設)を常に変え、狙われにくくすることが大切。

※ 必ずしもイスラマバードに限りませんが、テロの傾向としては「土曜日の日中」及び「週明けの月曜日」に多発していますので、特にご注意ください。

以上