報道等によれば、5月23日、バロチスタン州ダルバンディン近郊において、フランス人
観光客6人が車両で移動中に、武装グループに停車を求められ、フランス人男性1名が
誘拐される事件が発生しました。
本件誘拐事件の犯行主体等、今回の事件の背景はいまだ不明ですが、バロチスタン州では、
2月2日、州都クエッタにおいて、武装グループが国連難民高等弁務官事務所のクエッタ
事務所長である米国人及び運転手が乗った車両を銃撃し、運転手が死亡、事務所長が誘拐
されるという事件が発生しています(その後、被害者は、4月に解放されています。)。
本件誘拐事件が発生したバロチスタン州では、バローチ民族主義を標榜する過激武装組織が
複数活動しているほか、アル・カーイダやタリバーンと関係があるイスラム過激派が潜伏して
いるとの情報もあります。
本件誘拐事件が発生した地域は「渡航の延期をお勧めします。」の危険情報が出されている
地域であり、同地域に渡航・滞在を予定されている方は、どのような目的であれ渡航の延期を
お勧めします。仮に「渡航の延期をお勧めします。」以上の危険情報が出ている地域付近を陸路で
移動する場合には、警備要員の確保、複数の車両による移動等、十分な安全対策を講じてください。
なお、これら以外の地域においても、誘拐を防ぐためには、次のような対策をとることが有用です。
(1)日常の行動パターンを画一化しない。通勤や買い物等に同じ経路や時間帯を使うのではなく、
数パターンに使い分ける。
(2)行動予定を多くの人に知られないようにする。
(3)人目の少ない場所をできるだけ避ける。
(4)買い物等で外出する際も含め、常時、身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動する
ことをお勧めします。現地の言葉が分かる人ほど、周囲の異常を早く察知し、速やかにその場から
離れることが可能となります。
(5)外出時には自宅周囲を家屋2階の窓等から点検して、不審者、不審車両がいないか確認する。
外出中も尾行や監視がないか注意する。
(6)車両で移動している場合は、必ず窓を閉めてドアを施錠し、複数の者が乗車した車両が
常時後続していないか点検する。目的地到着後も、降車する前に不審者、不審車両がいないか
確認する習慣を身につける。
また、不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の治安情勢の入手に努めるようにして
ください。なお、誘拐事件に関しては、パンフレット「海外における誘拐対策Q&A」
(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph_04.html)も併せて御参照ください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)3100
○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5139
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2903
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp
http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版)
○在パキスタン日本国大使館
電話:(92-51)-227-9320
○在カラチ日本国総領事館
電話:(92-21)-522-0800
以上