2008年9月30日火曜日

治安情勢及び爆発事件等発生の際の一般的な対処について

1.パキスタン治安情勢

(1)20日夜に発生したマリオット・ホテルに対する自爆テロによりイスラマバード市内で、また、25日に発生したイスラマバード空港への爆破予告によりパキスタン国内の全ての空港施設などで警備強化が図られています。 また、米国政府が米国政府職員に対して、イスラマバード、ペシャワル及びカラチの主要ホテルでの滞在や訪問を禁止したとの報道もあります。

(2)在留邦人の皆様におかれては、テロ事件など不測の事態に巻き込まれることのないよう、しばらくの間、累次「お知らせ」でお伝えしている以下の諸点につき今一度十分な注意を払い、最新の情報にも留意しつつ、慎重な行動に心掛け、個々人における安全対策・危機回避に十分心掛けてください。

(イ)テロの標的となりやすい場所(米国系ファースト・フード店を含む欧米関連施設、政府機関・軍・警察等治安当局施設(含む車両、検問所等)、宗教関連施設)にはできる限り近づかないでください。

(ロ)集会やデモが行われている場所には、決して近づかないでください。

(ハ)マーケットやバス停など人が集まる場所での用事は、短時間で効率的に行なうとともに、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場から離れてください。

2.爆発事件等発生の際の一般的な対処要領等 爆発事件等が発生した際にどうしたら良いかにつき、一般的な心構えを以下の通り簡潔にまとめてみました。皆様の危険回避の一助になれば幸いです。

(1) 爆発音を聞いた時

(イ) 外出中に近くで爆発音が聞こえた場合
 (a)近くで爆発音や銃声が聞こえた時は、直ぐにできるだけ低い姿勢をとってください。
(注)地面や床にうつ伏せ、頭を手などで覆うのが理想的ですが、常日頃から練習をしていないと、なかなか直ぐには伏せられないものです。お時間のある時にでも練習しておくことをお勧めします。
 (b)最初の衝撃が去った後は、周囲に丈夫そうなコンクリートの壁や車止めなどがある時は、そのかげに隠れてください。なお、この移動の際に、高い姿勢をとらないように気をつけてください。
 (c)大きなガラスや倒れやすいブロック壁の近くは危険です。普段からあまり近づかないようにしてください。

(ロ)建物内にいた時に近くで爆発音が聞こえた場合
 (a)近くで爆発音や銃声が聞こえた時は、直ぐに低い姿勢をとってください。
 (b)最初の衝撃が去った後は、爆発音とは最も反対側の部屋の丈夫そうな壁に隠れるよう、姿勢を低くしたまま移動してください。
(注)慌てて外に飛び出さないでください。最初の爆発音を聞いて集まった人を狙って、2回目の爆発があるかもしれません(注:このようなテロは、1回目よりも2回目に威力のある爆弾を使用するのが通常の手口です。)。

(ハ)安全と思われ場所にいた場合 自宅、職場や学校にて、爆発音が遠いなどある程度安全と判断される場合には、最低でも1時間程度はその場にとどまってください。警察や軍が事件現場を封鎖する前に移動しては危険です。

(2) 買い物の際の留意
 (イ)マーケットなどでの買い物は、手早く済ませることが大切です。
 (ロ)ドライバーやコックなど身近で信用のできるパキスタンの方と一緒に行動することをお勧めします。現地の言葉がわかる人ほど、周囲の異常を早く感知し、速やかにその場から離れることが可能となります。
(注)ドライバーについては、自家用車の盗難防止などの観点から、車を見張っていることも重要ですが、人命に対する危険を日頃から察知、通報させることがより重要です。

(3) 自宅等の窓ガラスの飛散防止
  (イ)ガラスは強い衝撃を受けると割れて飛散しますが、この飛散したガラス片によって怪我をする例が多く見られます。ガラス片の飛散を防ぐためには、ガラスに飛散防止フィルムを張ることが有効です(注:日本でも地震対策として実施されています。)。

飛散防止フィルムの添付作業は、当地業者に依頼することが可能です。怪我を回避するとの観点から、職場、自宅等の窓ガラスに飛散防止フィルムを添付することも、ご検討されては如何でしょうか。なお、当館で調査したところ次の業者から見積もりが得られました。(いずれも1フィート四方あたりの見積額)。参考にして下さい。

 (a)インターリスク社 ・飛散防止フィルム(175ミクロン) 180RS ・グリル取り外し            20RS ・税金 ・工賃込み
 (b)ズーマ・エンジニアリング社 ・飛散防止フィルム 175ミクロン 500RS 275ミクロン 600RS375ミクロン 685RS・工賃込み

(ロ)飛散防止フィルムの添付が難しい場合には、厚手のカーテンを閉めておくことで、ある程度、ガラスの飛散は防げると言われますので、在宅の時は、厚手のカーテンを閉めておくことをお勧めします。

(ハ)なお、阪神・淡路大震災では、住居から避難する際に、飛散したガラス片を踏んで怪我をされた方も多くいたそうです。日頃から、室内でスリッパを使用したり、各部屋ドア付近にスリッパを用意しておくことも一案です。

3.また、一般的な防犯対策などについては、外務省海外安全ホームページに掲載されている「在留邦人向け安全の手引き」(http://www.anzen.mofa.go.jp/manual/index.html)も併せご参照ください
(パキスタン部分の掲載日は2006年11月となっていますが、各論部分の内容はいまでも十分利用価値がありますので、是非、ご一読ください。) 以 上